外車(輸入車)は故障が多いというのは本当?

外車(輸入車)が故障しやすいと言われる理由
「外車(輸入車)は故障しやすい」と多くの人が考えていますが、これにはいくつかの理由があります。
まず1つめは「国産車は故障が少ない」ためで、国産車メーカーは世界中のどのメーカーと比べても故障が少なく、これに慣れている日本の消費者はどうしても「外車(輸入車)は故障が多い」と考えます。
2つめは、夏は蒸し暑く冬はとても寒い日本特有の気候が原因で、こうしたはっきりと四季がある環境は、電装部品やボースなどゴム類などの劣化を早め、故障の原因になり安くなります。
一方、国産車はこのようなゴム類や電装部品の対策をしっかり行っているため、故障が少ないと言われています。
実際外車(輸入車)は故障しやすいのか
外車(輸入車)メーカーもこうしたゴム類や電装部品の対策はしっかり行っており、年々故障は少なくなってきています。
しかしながら、外車(輸入車)はまだまだ故障が多いのも事実で、特にパワーウインドウやオーディオなどの電装系は国産車に比べて壊れやすいと言われています。
一方、外車(輸入車)もエンジン系の信頼性は上がっており、故障の頻度は国産車とあまり変わりません。
よって、外車(輸入車)は現在でも、電装系のマイナートラブルは国産車より多いことは間違いありませんが、それ以外はあまり気にする必要はなさそうです。
外車(輸入車)と国産車の故障率について
実際に、J.D POWERがメーカー毎の故障の頻度についての調査を行っており、結果を公表しています。
2020年に行われた「日本自動車初期品質調査」では、新車購入後2~9ヶ月後のユーザーに対して、8分野233項目で不具合の経験を聴取しています。
8分野は外装、走行性能、装備品/コントロール/ディスプレイ、オーディオ/コミュニケーション/エンターテインメント/ナビゲーション、シート、空調、内装、エンジン/トランスミッションで、様々な分野にわたります。
それによると、最も成績が良かったのがホンダ(51ポイント)で、次いで日産(53)、ダイハツ(56)、レクサス(60)で、「60ポイント」が業界の平均です。
外車(輸入車)で最も成績が良かったのがアウディ(72ポイント)、MINI(74)、ボルボ(99)、メルセデスベンツ(103)、BMW(105)、フォルクスワーゲン(107)となっており、国産車の最下位は三菱(74)でした。
この結果を見ると、やはり外車(輸入車)は国産車に比べると故障の頻度が高いことが分かりますが、年々成績は良くなっているようです。
同じくJ.D POWERが2014年に行った調査と比べると、MINIで69ポイント、ボルボで56ポイントそれぞれ減少しており、故障の頻度は減少しています。
外車(輸入車)の故障トラブルをへらすには
そんな外車(輸入車)の故障トラブルを減らすためには、正規ディーラーや外車(輸入車)のメンテナンスに精通している整備工場で定期的な点検をしっかり受け、車の状態を常に把握することが最も大事です。
定期点検を受けると、メカニックは「今すぐに修理・交換が必要な箇所」と「今後、修理・交換が必要な箇所」を教えてくれますので、この時に車の状態を把握することができます。
車は壊れる前に修理するのが基本ですので、すぐに修理・交換が必要な箇所は、予算をケチらず早めに対処する必要があります。
また、いずれ修理・交換が必要な箇所は様子を見つつ、少し調子が悪くなればすぐに整備を受けているメカニックに相談しましょう。
このように車の状態を把握しつつ最善の状態に保つことで、故障のトラブルは減らすことができます。
また、外車(輸入車)の整備費用は国産車に比べると割高で、特に正規ディーラーは街中の整備工場に比べると高くなります。
これは外車(輸入車)の整備は専門性が高い上に、部品を輸入するなどの必要があるためです。
ですので、簡単な整備は街中の整備工場で行い、難しい整備は正規ディーラーで行うなどの使い分けをすることをおすすめします。
まとめ
以上、外車(輸入車)の故障について紹介しました。
昔は外車(輸入車)は故障がとても多かったですが、近年性能が大幅に向上して故障は大幅に減少しています。
一方、ホースなどのゴム類や電装部品は、高温多湿の夏や寒い冬がある日本の四季に対応が追いついていないために劣化が早く、国産車に比べると故障が多いのが実情です。
しかし、最近外車(輸入車)メーカーは3年間無償の新車保証を付けたり、それ以降も有償で保証が受けられたりするシステムを導入しています。
このため、しっかり点検やメンテナンスを行えば故障はあまり心配する必要はありませし、もし故障しても修理費用のこともあまり気にする必要はありません。
今まで、「故障が多い」とか「ディーラーが近くにないので不安」などの理由で外車(輸入車)を敬遠していた人も多いと思いますが、外車(輸入車)には国産車にない魅力がたくさんありますので、気になる人はぜひ検討してみてください。