輸入車のシェアについて詳しく調べてみる
輸入車のシェア
昨年2020年の1~12月に販売された輸入車は297,313台で、2019年に比べると約3万台の減少となりました。
メーカー別で見てみると第1位はメルセデスベンツで57,041台、第2位はフォルクスワーゲンで36,576台、第3位はBMWで35,712台、第4位はアウディで22,304台、第5位はMINIで20,196台となっています。
これをシェアで見てみると第1位のメルセデスは19.2％、第2位のワーゲンは12.3％、第3位のBMWは12％、第4位のアウディは7.5％、第5位のMINIは6.7％となっています。
一方、2019年の1~12月に販売された輸入車は326,261台で、第1位：メルセデスベンツ（66,553台）、第2位：BMW(46,814台)、第3位：フォルクスワーゲン（46,794台）、第4位：アウディ（24,222台）、第5位：MINI(23,813台)となっています。
シェアで見てみると第1位のメルセデスは20.3％、第2位のBMWは14.3％、第3位のワーゲンは14.3％、第4位のアウディは7.4％、第5位のMINIは7.2％となっています。
このようにトップ5はすべてドイツ車が独占していますが、この状態は長年にわたって続いており、ドイツ車の人気を伺わせます。
故障が少ないため信頼性が高く、ディーラー網もしっかり整備されているのがドイツ車人気の理由だと思われます。
シェアから見る傾向
そして車種毎に過去のデータを見てみると、2003~2015年まではフォルクスワーゲン･ゴルフが販売台数第1を独占し、2016~2020年まではMINIが第1位となっています。
また、2003~2009年までは第2位をBMW･3シリーズが独占していましたが、2010年以降は順位を落とし始め、2013年に1度だけ第2位になりましたが、2014年以降は1度も3位以上にランクインしていません。
そして、3シリーズに代わって売上を伸ばしているのがメルセデスベンツ・Cクラスで、昨年は大幅に販売台数を落としましたが、2014~2019年までは常に第3位を獲得していました。
輸入車の販売台数第1~3位は、常にMINI、BMW、フォルクスワーゲン、メルセデスベンツで競い合っている状況です。
そして、近年SUVの人気が上昇傾向で、輸入車のSUVも増えてきましたが、人気があるのはオーソドックスなハッチバックやセダンであることが分かります。
また、輸入車というと大きなボディで価格が高いというイメージがありますが、売れ筋のモデルはコンパクトで比較的割安のモデルが多いということになります。
そして、近年人気が上昇しているのがポルシェ、シトロエン、プジョーです。
ポルシェは2000年の販売台数が1,761台でしたが、2005年には3,572台、2015年には6,690台、2020年には7,284台にまで上昇しています。
ポルシェはスポーツカーメーカーで911やボクスター／ケイマンしか販売していませんでしたが、SUVのカイエンやマカン、セダンのパナメーラなどラインナップを増やして販売台数を伸ばしてきました。
また、シトロエンは1990年代には比較的人気がありましたが、2000年頃から販売台数が下降して、ブランド力も低下していました。
しかし、ここ数年はSUVを発売したりフランス車らしい魅力的なデザインのモデルを投入したりした結果、販売台数が上昇して、昨年は5,031台を売り上げました。
そしてプジョーもシトロエンと同じく、2000年代はあまり人気がなく販売台数が低迷していましたが、近年はSUVなどを投入して昨年は10,752台を売り上げました。
シトロエンやプジョーなどフランス車は故障が多いというイメージがありましたが、近年は急速に性能が向上し故障の頻度も少なったことやディーラー網が整備されたことも販売台数の増加に繋がっていると思われます。
各メーカー魅力的なモデルがたくさん登場していますが、MINIやフォルクスワーゲン・ゴルフ、メルセデスベンツ･Cクラスなどの伝統的なモデルの人気は変わらないようです。
まとめ
以上、輸入車のシェアについてまとめてみました。
長年にわたり販売台数トップ5はすべてドイツ車メーカーで、売れ筋車種もフォルクスワーゲン･ゴルフやMINIなどで、あまり入れ替わりがないのが印象的です。
日本にはたくさんの自動車メーカーがあり、日本のニーズにマッチしたモデルを安い価格で販売しますし故障も少ないので、輸入車にとっては厳しいマーケットです。
しかし、2010年には213,283台だった輸入車全体の販売台数は、徐々に拡大して、2019年には297,313台を販売しており、少しずつ国産車からのシェアを奪っていることは間違いありません。
